Googleの最新スマートフォン・Pixel 10 Proの新機能「超解像ズーム Pro」。
前世代・Pixel 9 Proでは最大30倍だったところ、なんと最大100倍ものズームができるとのこと。
ズーム機能には定評があり、これまで長らくPixelを使ってきたユーザーの私としてもそれは実感しているところ。
実際に100倍ものズームが機能するのか、試してみました。
超解像ズーム Proで撮影した写真を紹介
夕暮れの屋外で超解像ズーム100倍を試す
夕暮れ時の屋外にて、Pixel 10 Proの超解像ズーム Proを使って撮影してきました。
等倍で撮影した結果が以下の写真。この場所からズーム撮影を決行。
元写真の中央付近にある案内板を100倍ズームしてみました。
1枚目。
ボヤケている元写真を、AIがきれいに補正しています。濁点が塗りつぶされていたりはするものの、綺麗といえば綺麗。


2枚目。
こちらも元写真はノイズ強めですが、さっきより文字が小さい上に漢字が多い。
AIではこの内容を認識できず、意味不明な文字が生成されてしまっています。


3枚目。
元写真がそもそもボヤボヤではあるんですが、AIがどうにか頑張ろうとした結果、絵のようにのっぺりした画像になってしまいました。文字も変。


別の場所で100倍ズームした4枚目。
こちらはボンヤリした元写真をかなりうまく補正・補完できているように見えます。


明るい室内で超解像ズーム100倍を試す
次に、それなりに明るい室内の端にフィギュアを置き、逆の端から超解像ズームを使って撮影してみました。
最初に撮ったのは、マリオカートのトミカ。
光学2倍ズームで撮った正解(?)を最初に見せておきます。
部屋の端まで行って100倍ズームした結果がこちら。
一見きれいなように見えますが、目やらヒゲやらを見ると不安になってくる。ただ、ノイジーな元写真からここまで持ってこれるのはすごいと言えなくもない。


50倍ズーム。
100倍に比べるとだいぶ本物っぽさが増した気がする。


スプラトゥーンのイカamiiboも撮ってみました。
超解像ズーム30倍。
ノイズが気になる元写真がきれいに補正され、変にAI生成された気持ち悪い部分もない。このくらいだとバッチリですね。


100倍ズーム。
シンプルな形だからか、逆に不安になるほどきれいに補正されています。


超解像ズーム Proを使ってみてわかったこと
ある程度「超解像ズーム Pro」を使ってみてわかったことは以下のとおり。
- ズーム倍率が30倍以上になると自動的に適用される
- どんな写真でもAIが頑張って”それっぽく”加工するので、元写真がボヤけていればいるほど生成結果がAI画像っぽくなる
- シンプルだったりわかりやすいオブジェクトには比較的強い。文字(特に漢字)には弱い
- これは「ズーム機能」ではなく、「AIによる画像補完機能」
「超解像ズーム Pro」という名前だとものすごいズーム機能のように思えますが、これは明らかにミスリード。
実際には、『無理なズームでボケボケの画像をAIがそれっぽく仕上げる機能』です。
ちゃんとした写真が出来上がるとは限らないし、きれいな写真ができたとしてもそれが被写体の本当の姿なのか、AIが生成した”それっぽい画像”なのかはわからない。
せめて機能名に『AI』の文字を入れるべきじゃないかと個人的には思いますね。。。
超解像ズーム Proの使い方
Pixel 10 Pro・Pro XLで使える「超解像ズーム Pro」の基本的な使い方を紹介しておきます。
超解像ズーム Proは、30倍以上のズームで自動的に機能する
「超解像ズーム Pro」は、30倍以上のズームで自動的に適用されるAI画像補完機能。
ダウンロードしてある場合にはオフにできませんが、29倍ズームまでなら適用されることはありません。
超解像ズーム Proはダウンロードが必要。削除すれば実質オフにすることも可能
「超解像ズーム Pro」を使うためには、事前にファイルをダウンロードしておく必要があります。
初回のPixelカメラ起動時にダウンロードを促されるはずですが、スルーしていた方は以下の手順でダウンロード可能。
カメラを起動し、左下の設定ボタンから右上の3点リーダーをタップ。
「全般」の「モデルをダウンロード」へと進み、超解像ズームProをダウンロードしてください。
※以下の画像ではすでにダウンロード済み
超解像ズーム Proを使いたくない場合には、上記の「モデルをダウンロード」画面でゴミ箱ボタンを押して削除すればOK。
削除すると、カメラのズーム倍率が最大30倍までになります。
AI加工前の元写真も残るが、加工後の写真がメインに設定される
撮った写真がAIにより加工されてしまう「超解像ズーム Pro」ですが、実は撮影した元画像もちゃんと残っています。
写真アプリのギャラリーにて、写真右上に虫眼鏡のようなマークがついているのが「超解像ズーム Pro」適用のしるし。
デフォルトでは加工後の写真がメインになっていますが、加工前の(撮影したそのままの)写真をメインの写真に設定することも可能。
AI処理の前後を見比べてみたり、撮った写真によって気に入った方を残したりするのもいいですね。
Pixel 10 Pro「超解像ズーム Pro」これからの進化に期待したい
面白い機能ではあるものの、名が体を表していないしAIの精度も高いとはいえない「超解像ズーム Pro」。
正直言ってまだ実用性は低めですが、これからズーム機能・AI性能ともにさらに進化していってほしいものです。
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