日本時間の2020年4月16日、Appleより発表されたiPhone SE(第2世代) 。
初代iPhone SEは4インチでしたが、今回の2代目iPhone SEはiPhone 8や7と同じ4.7インチに巨大化。
iPhoneの他モデルと比べてみると圧倒的に安く、たとえば64GBモデルなら49,280円(税込)。
しかもiPhone 11 Proと同じA13 Bionicチップを備えているため、性能も高い。
廉価モデルなので、もちろん現行の最先端機種であるiPhone 11 Proに比べれば無いものも多くあります。
ですが通常の使用において困るようなものは見当たりませんし、それで11 Proの半額以下になるなら全然OKなユーザーがほとんどなのでは。コストパフォーマンスが抜群すぎる。
断言しますが、初代iPhone SE以上にこの第二世代iPhone SE(2020)はまず間違いなく爆売れするでしょう。
秋頃に発表されるであろうiPhone 12が売れるかどうか、今から心配になるくらい。
この記事では、今回発表されたiPhone SE(2020、第2世代)は他の機種と比較してどのような特徴があるのか、オススメの理由は何なのかについて詳しく解説していきます。
現行のiPhone(11 Pro、11、XR、SE)を表でわかりやすく比較
まず、2020年4月16日現在Apple公式にて販売されているiPhone機種を表で比較してみることにします。
新iPhone SEの発表にともないiPhone 8がラインナップから消え、現在はiPhone 11 Pro(およびPro Max)、iPhone 11、iPhone XR、そしてiPhone SE(第2世代)の4機種。
これらの主なスペック・仕様を一覧表にまとめました。
※iPhone 11 Pro Maxは11 Proとの違いが画面サイズと価格のみのため、表からは除外)
スマートフォンなどディスプレイの小さい機種でこの記事を見ている方は、スクロールするか画面を横にすると表の全体が見やすくなりますよ。
iPhone 11 Pro | iPhone 11 | iPhone XR |
iPhone SE (第2世代) |
|
---|---|---|---|---|
容量と 価格 (税込) |
64GB:117,480円 256GB:135,080円 512GB:159,280円 |
64GB:82,280円 128GB:87,780円 256GB:99,880円 |
64GB:71,280円 128GB:76,780円 |
64GB:49,280円 128GB:54,780円 256GB:66,880円 |
ディス プレイ |
5.8インチ Super Retina XDR 2,436×1,125 |
6.1インチ Liquid Retina HD 1,792×828 |
4.7インチ Retina HD 1,334×750 |
|
CPU | A13 Bionicチップ | A12 Bionicチップ | A13 Bionicチップ | |
サイズ |
144.0 ×71.4 ×8.1mm |
150.9 ×75.7 ×8.3mm |
138.4 ×67.3 ×7.3mm |
|
重量 | 188g | 194g | 148g | |
カメラ |
トリプル12MP 超広角:f/2.4 広角:f/1.8 望遠:f/2.0 次世代スマートHDR ポートレートモード ナイトモード |
デュアル12MP 超広角:f/2.4 広角:f/1.8 次世代スマートHDR ポートレートモード ナイトモード |
シングル12MP 広角:f/1.8 スマートHDR ポートレートモード |
シングル12MP 広角:f/1.8 次世代スマートHDR ポートレートモード |
ズーム |
2倍光学ズームイン 2倍光学ズームアウト 10倍デジタルズーム |
2倍光学ズームアウト 5倍デジタルズーム |
5倍デジタルズーム | |
ビデオ |
4K(24,30,60fps) ビデオの拡張ダイナミックレンジ |
|||
フロント カメラ |
12MP f/2.2 True Depth |
7MP f/2.2 True Depth |
7MP f/2.2 FaceTime HD |
|
防水防塵 |
IP68 (水深4mで30分) |
IP68 (水深2mで30分) |
IP67 (水深1mで30分) |
|
ワイヤレス 充電 |
対応 ※充電器は付属せず |
|||
5G対応 | × | |||
Apple Pay (電子マネー) |
対応 | |||
オーディオ |
空間オーディオ再生 Dolby Atmos対応 |
ワイドなステレオ再生 | ステレオ再生 | |
認証 | Face ID | Touch ID | ||
バッテリー | ビデオ再生:最大18時間 | ビデオ再生:最大17時間 | ビデオ再生:最大16時間 | ビデオ再生:最大13時間 |
カラー |
ミッドナイトグリーン シルバー スペースグレイ ゴールド |
パープル イエロー グリーン ブラック ホワイト PRODUCT RED |
ブルー ホワイト ブラック イエロー コーラル PRODUCT RED |
ブラック ホワイト PRODUCT RED |
発売日 | 2019/9/20 | 2018/10/26 | 2020/4/24 |
※2020/4/16現在
歴代iPhoneを見てきた方ならすぐに気づくかと思いますが、新しい第2世代のiPhone SEは実質的にiPhone 8の後継機種。
サイズや重量、バッテリー駆動時間、Touch ID、防水防塵性能などは仕様を見る限りiPhone 8とまったく同じ。
Apple Payやワイヤレス充電への対応、イヤホンジャックがないのも同じ。
外見はほぼ(まったく?)同じで性能がアップしただけです。
もしかすると、iPhone 8のケースがそのまま使えるかも…?
※未確認
iPhone「SE」シリーズは4インチディスプレイの小型iPhoneではなく、過去のiPhoneに性能の良くなった新しいチップやカメラ等を搭載した廉価版の系譜ということになりそうですね。
iPhone 11 ProにあってiPhone SE(第2世代)に「ない」ものは?
現在のiPhoneで最も最先端をいくのは、11 Pro。
第2世代iPhone SEと11 Proとでは同容量で62,000円、倍以上もの価格差があります。
たとえば64GBモデルならSEは44,800円、11 Proは106,800円。
では、その価格差に見合う性能・機能差はあるんでしょうか。
両機種の主な違いを挙げてみましょう。
サイズと重量
iPhone 11 Proは5.8インチ、188g。
iPhone SEは4.8インチ、148g。
ディスプレイが大きいと動画・画像やテキスト等が快適に視聴できる反面、でかくて重くなるので携帯性は悪くなります。この辺は好みですね。
個人的には携帯電話はコンパクトであってほしいので、むしろ4インチのまま出してほしかったくらい。
ディスプレイ(Super Retina XDR vs Retina)
iPhone 11 Proは『5.8インチSuper Retina XDRディスプレイ(解像度2,436×1,125ピクセル)』。
iPhone SEは『4.8インチRetina HDディスプレイ(解像度1,334×750ピクセル)』。
発売当時、スマートフォン史上最高だと話題になった11 ProのSuper Retina XDRディスプレイ。
確かに美しいのは間違いないですが、個人的には「あれば嬉しいけど、スマホにそこまでハイスペックのディスプレイいる?」というのが正直なところ。
SEに搭載されているRetinaディスプレイでも十分綺麗に見えますし、ほとんどのユーザーにはそこまで響くポイントではないのかなと個人的には思います。
Retinaディスプレイが出た当初はそれまでの画面との違いに驚いたものですが、もはや明らかにわかるほどの大差は出にくくなってきていますね。
超広角レンズ搭載のトリプルカメラ vs シングルカメラ
iPhone 11 Proは、超広角・広角・望遠のトリプルカメラ。
iPhone SEは、広角のみのシングルカメラ。
現在11と11 Proのみに搭載されている超広角レンズ、確かにすごい。
これまでのレンズでは考えられないほどの広範囲を写せるので、風光明媚な場所や室内の全景を撮りたいときに活躍します。

iPhone 11で通常撮影

iPhone 11の超広角カメラで撮影
望遠レンズもついているので、2倍光学ズームができるのも11 Proの利点のひとつ。
ですが、普段の何気ない景色や食べ物などを撮影するときに超広角や光学ズームを使うかと言われると、それほどでもないような。。人によりますけどね。
ナイトモードあり vs なし
iPhone 11および11 Proは、ナイトモードを備えており夜間など暗所での撮影に強い。
iPhone SEにはナイトモードはありません。

ナイトモードオフで撮影

ナイトモードオンで撮影
暗い場面を自動的に判別して明るく撮ってくれるナイトモード。これがSEに無いのはかなり残念。
A13 Bionicチップがあれば可能なのかなと思っていたんですが、2つ以上のレンズがないと実現が難しいのかもしれませんね。
防水性能(水深4mで30分 vs 水深1mで30分)
iPhone 11 Proが水深4mで30分耐えられる防水性能を備えているのに対し、iPhone SEは水深1mで30分。
11 Proの方が高性能なのは間違いないですが、ほとんどの人にとってそれほど意味のある差ではないかなという印象です。
Face ID vs Touch ID
iPhone 11 Proの認証はFace ID、iPhone SEはTouch ID。
Touch IDよりさらに精度が高く優れた認証方式であるとされたFace IDですが、使ってみた感想は一長一短。
Face IDは指が濡れていたりしても認証が通る反面、マスクやサングラスをしているとダメなので非常に使いにくい。
ロック解除後にいちいち上スワイプが必要なのも面倒。
どちらが好みかは使い方によるところですが、今の特殊な状況ではTouch IDの方が便利という人の方が多いのでは。
(ちなみに、認証でもっとも使いやすかったのはPixel 3aの背面指紋認証だと思ってます)
バッテリー駆動最大18時間 vs 13時間
iPhone 11 Proのバッテリー駆動時間は、ビデオ再生時で最大18時間。
iPhone SEは最大13時間です。iPhone 8と同じ。
iPhone SEよりも巨大なiPhone 11 Proには、その分大きなバッテリーが積んであります。その分電池の持ちもいい。
新しいSEを買うつもりなら、11や11 Proに比べればある程度充電回数が増えることを覚悟する必要がありそうです。
iPhone SE(2020)がオススメな3つの理由
総合的にみて、私は今回のiPhone SE(2020、第2世代)は間違いなく「買い」だと思っています。
その理由は、主に以下の3つ。
とにかく安い。コスパが圧倒的
一目瞭然なのでいまさら言うまでもありませんが、iPhone SEはとにかく安い。
大画面化・高価格化が進んでいたiPhoneシリーズにあって、初代のSE同様明らかに異彩を放っています。
価格を再掲すると、税込で64GBが49,280円、128GBが54,780円、256GBは66,880円。
64GBモデルなら税込みでも50,000円以内で済んでしまうんですよ。コスパ抜群。
iPhone 11 Pro(64GBモデル:106,800円)、iPhone 11(64GBモデル:74,800円)がその割を食って売れなくなっちゃんじゃなかろうか。。。
最先端機種である11 Proと同じチップを備えており、長く使える可能性が高い
iPhone SEは、現在のiPhoneシリーズ最先端機種である11 Proと同じA13 Bionicチップを備えています。
前述の通りカメラやディスプレイ等での差は当然あるものの、処理性能(頭脳)は11 Proと変わらないんですね。
つまり、単純に考えて少なくとも11 Proと同程度には長く使える見込みがあるということ。
ディスプレイの解像度が11 Proより低く処理能力を使わなくて済む分、SEの方がよりキビキビ動く可能性すら考えられます。
安く買って長く使える、少なくとも経済面だけで言えば理想的なiPhoneだと言えるでしょう。
マスクしてても使える
近年の状況に応じて、日本などアジアはおろか欧米にまでマスクをする習慣が広がっています。
そんな中で、マスクをしていると基本的に反応しないFace IDは非常に不便。
いちいちマスクをずらすのは面倒だし、手を口のところに持っていくのでリスクも高まります。
かと言って、パスコードを毎回打ち込むのもだるい。
Touch IDなら、そのような不便からは解放されます。
iPhone SEがまず間違いなく売れる理由、そして私がオススメする理由のひとつとしてTouch IDの占めるウエイトはかなり大きい。
あとがき
4インチから4.7インチに大きくなってしまったのが多少残念ですが、それでも他の現行機種よりずっとコンパクトでコストパフォーマンスの良い新iPhone SEはとても魅力的な機種。
おそらく今後数年は、iPhoneで一番売れている機種として世界中で君臨し続けることでしょう。
目新しい機能があるわけではないので急いで買い換える必要は全くないですが、iPhone XS以前の機種から買い替えを検討しているなら真っ先にSEが候補に上がるはず。
「お金に糸目はつけない!」という人”以外”のほとんど全員にオススメです!
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第2世代iPhone SE(PRODUCT RED)レビュー。大きさはiPhone 7や8とほぼ同じ、性能は11と同等以上


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