2019年10月に発売された、Google製Androidスマートフォン「Pixel 4」。

前モデルから様々な点で進化していますが、何と言っても気になるのはやはりカメラ性能。
Pixel 3シリーズでもその実力を発揮していた夜景モードやポートレートモードは、Pixel 4でよりグレードアップ。
シングルレンズから望遠レンズ×2のデュアルレンズとなったため、超解像ズームもより進化したらしい。
ですが、スペックであったり公式発表がどのような内容であったとしても、実際の使い勝手はまた別。
自分で撮影してみてはじめてわかることも大いにあるはず。
Pixel 4を使い様々なシチュエーションで写真を撮影し、それを前モデルのPixel 3aおよびiPhone 11と比較してみることで、実際にどのような写真が撮れるのかを確かめてみることに。
その結果をこの記事でシェアするので、これからPixel 4やiPhoneの購入を検討してる方の参考になれば嬉しいです!
食べ物(ラーメン)の写真
先日訪れたラーメン店で、それぞれのスマートフォンで撮影してみました。
【Pixel 4】
【Pixel 3a】
Pixel 4とPixel 3aの違いは、パッと見では正直わかりません。
強いていえばPixel 4の方がわずかに明るいかなと思いますが、多少のピントの違いで変わる程度なので両機種の違いとまでは言いづらい。
【iPhone 11】
iPhone 11はPixelに比べやや暖色寄りで、色が穏やかにまとまっている感じ。これはPixel 3aとiPhone XSの写真を比較したときと同じ傾向です。
【写真で比較】iPhone XSを上回るほどのPixel 3aカメラ性能に驚き。「夜景モード」がすごい
私はPixelの画作りの方がメリハリが利いていて好きですが、どちらが優れているというわけではなく好みの問題ですね。
並べると違いは明らかですが、単独で見せられればどちらも綺麗でおいしそうな写真に映るはず。
日中の市街地
次に、日中の市街地(福岡市の渡辺通り沿い)で撮った写真。
【Pixel 4】
【Pixel 4 最大ズーム(8倍)】
Pixel 4は光学2倍ズームで、デジタルも合わせると最大8倍までズームすることが可能。
本来デジタルズームはただの切り取りにすぎないので画質は落ちるはずなのですが、Google Pixel 4はソフトウェアの力でこれを極力光学ズーム並の高画質に近づけています。
8倍ズームの写真も、光学ズームで撮ったと言われれば信じてしまいそうなハイクオリティ。
【Pixel 3a】
【Pixel 3a 最大ズーム(8倍?)】
Pixel 3a(≒Pixel 3)も非常に優秀なカメラを備えており、等倍で撮影した場合はPixel 4と遜色ない。
ですがズームしてみるとその画質の差は歴然。
Pixel 3および3aはシングルカメラ、Pixel 4は望遠×2のデュアルカメラなのでハードウェア的に考えて無理もないのですが、このズーム性能の違いは両機種の大きな差の1つと言っていいでしょう。
【iPhone 11】
【iPhone 11 最大ズーム(5倍)】
PixelシリーズとiPhoneシリーズの写真を並べると、前者は輪郭がハッキリしていてパキッと整っており、後者はそれに比べると柔らかめで実際に目で見た感じに近い。そういう印象があります。この屋外の写真についても同様。
iPhone 11は望遠レンズを持っていないため、ズーム写真は参考程度に。
(望遠レンズを備えたiPhone 11 Proは持っていないため、ここでは比較していません)
【iPhone 11 超広角】
同じ場所からiPhone 11の超広角レンズで撮った写真。現在のところPixelシリーズでこれほどの広角写真は撮れないので、この点はiPhone 11シリーズのアドバンテージですね。
【iPhone XS】
【iPhone XS 最大ズーム(10倍)】
望遠レンズを装着し、2倍光学ズーム&10倍デジタルズームが可能なiPhone XSでも撮ってみました。等倍だとパッと見ではiPhone 11とさほど変わらない。
ズームもさすがにある程度綺麗なんですが、Pixel 4に比べるとノイズが目立つ印象。その辺はPixel 4がソフトウェアパワーで何とかしているということなんでしょう。
iPhone 11 Proと比べるとどうなのか、気になるところです。
夜の市街地
夜の明るい路上で撮った写真を比較します。
【Pixel 4】
【Pixel 4 夜景モード】
Pixelは3の時代からもともと暗所に強いので、このくらい明るい場所であれば夜景モードの有無はそれほど関係ありませんね。
夜景モードの方が若干光が強めに写っているかな、というくらい。
【Pixel 4 ズーム8倍】
【Pixel 4 夜景モード ズーム8倍】
ズームしてみると、等倍のときよりもやや違いが現れてきます。夜景モードの方が、文字がよりはっきりと読める。
光学ズームは2倍までなのに、デジタルも組み合わせた8倍ものズームでこれだけ写るのは驚異的と言っていいかと。
【Pixel 3a】
【Pixel 3a 夜景モード】
Pixel 3aでも十分に綺麗な写真が撮れます。今回比較した中ではずば抜けて安いのにこの性能はすごい。
夜景モードに関しては、Pixel 4に比べてもさらに光が強調されている印象。良く言えば美しい、悪く言えば加工された感があるなと思わなくもない。
【Pixel 3a ズーム8倍】
【Pixel 3a 夜景モード ズーム8倍】
Pixel 3aはシングルカメラであり望遠レンズを持たないので、Pixel 4のズームと比べるのは酷。ですがデジタルズームなりに頑張ってはいるように見えます。
【iPhone 11】
Pixel 3や4に比べてiPhone 11が優秀なのは、周りが暗いと夜景モードに自動で切り替わるところ。
ですがこのシチュエーションでは十分な光量があると判断されたようで、夜景モードなしでの撮影となりました。
十分綺麗な写真ではあるんですが、手前の街路樹の葉っぱの描写をPixelと比べてみると、iPhoneの方がやや黒くつぶれてしまっているかなという気がします。
【iPhone 11 ズーム5倍】
iPhone 11は望遠レンズがないのでPixel 4と比較はできませんが、一応ズーム写真も。
Pixel 3aもズームレンズがありませんが、iPhone 11よりはPixel 3aの方がノイズが少なくまだ見られるかな。
【iPhone XS】
【iPhone XS ズーム10倍】
iPhone XSでも撮影してみました。やはりPixel 4、3a、iPhone 11と比べると若干暗め。
ズームだとノイズが目立ちます。
夜の暗い路上
大通りだと街灯が明るすぎてiPhone 11の夜景モードが働かないので、もう少し暗めの道路に移動してきました。
【Pixel 4】
【Pixel 4 夜景モード】
このくらいの光量になると、通常撮影と夜景モードの違いが如実に現れてきます。
見た目の景色は通常撮影の方が近く、夜景モードだと実際よりもかなり明るく美しく写る。
【Pixel 4 ズーム8倍】
【Pixel 4 夜景モード ズーム8倍】
ズームしてみると、その明るさの違いがよくわかります。かなり暗め&デジタルズームでもこれだけ写るPixel 4、さすが。
【Pixel 3a】
【Pixel 3a 夜景モード】
Pixel 3aも、少なくともパッと見はPixel 4と遜色ない仕上がり。Pixel 4の方が若干ノイズが少ないかな?
夜景モードだと、Pixel 4よりも3aの方がやや黄色みがかっているような気がします。
【Pixel 3a ズーム8倍】
【Pixel 3a 夜景モード ズーム8倍】
Pixel 3aでもズームしてみました。
【iPhone 11 夜景モード】
自動的に切り替わるiPhone 11の夜景モード。
料理撮影のときも言及しましたが、Pixelシリーズよりも全体的に暖色寄りに写りますね。
【iPhone 11 ズーム5倍】
iPhone 11の5倍デジタルズーム。割と頑張ってる。
【iPhone 11 超広角】
iPhone 11シリーズの目玉である超広角レンズですが、暗所にはめちゃくちゃ弱いのでこんな写真になってしまいます。
超広角で撮りたいなら明るい場所で。
【iPhone XS】
【iPhone XS ズーム10倍】
iPhone XSで撮ったものも載せておきます。
ポートレートモード
次に、Pixel 4、3a、iPhone 11のポートレートモードを比較していきます。
【Pixel 4】
【Pixel 4 ポートレートモード】
まず、Pixel 4。
背景がいい感じにボケて、浮き上がって見えるような写真に加工されているのがわかります。
外側はおおむね良好ですが、葉の間のボカシがややバラついてるかな?
【Pixel 3a】
【Pixel 3a ポートレートモード】
Pixel 3aのポートレートモードは、Pixel 4に比べ背景のボケのばらつきが若干多めになっている感じがします。
【iPhone 11】
【iPhone 11 ポートレートモード】
iPhone 11のポートレートモードで撮影してみると、より手前の花にスポットを当てた加工となっていました。
個人的にはiPhone 11の方がより作為的というか不自然な加工のように見えたんですが、どうでしょうか。
この辺の評価は好みやシチュエーションによっても大きく分かれそう。
Pixel 4の「シャドーを明るくする機能」検証
Pixel 4では、露出のほかシャドー(写真の暗くなっている部分)を個別に持ち上げて明るくできる機能が追加されました。
記事の最後にこの新機能を検証します。
まず、逆光にしてフィギュアを普通に撮影。逆光なので、当然ながらこちらから見るとフィギュアは影になってしまいます。
ディスプレイをタップして調整スライダーを表示させてみると、露出は真ん中付近、シャドーはかなり右側(影をつくる側)に振り切っている状態でした。
ここから露出はそのままに、シャドーの調整スライダーだけを左側(影をなくす側)に振り切って撮影してみると……
以下の通り、全体を明るくすることなくフィギュアの表情やディテールだけをよりハッキリと捉えた写真が撮れました。
ちなみに、シャドーではなく露出を上げると……
写真が全体的に明るくなるため、このような白く飛んだ写真となってしまいます。
同じシチュエーションにて、Pixel 3aで撮影した写真がこちら。
Pixel 3aには露出調整の機能しかありません。
上げるとやはり全体が明るくなってしまうため、こんな感じに。
iPhone 11で普通に撮影したところ。
iPhone 11にも露出調整機能しかないため、とりあえず露出を上げて撮ってみます。
やはり全体的に明るくなってしまうものの、Pixelで露出を上げた場合に比べると白く飛ぶのは極力抑えてある印象に仕上がりました。
Pixel 4の星空撮影機能
Pixel 4では、星空を撮影できることが紹介されていました。
星空が見えるような場所に行く機会が今のところないので、実際に撮影した方のツイートを引用します。
Pixel4の天体写真モード、マジで次元が違いすぎます。ド素人がテキトーに撮ってもコレです
[作例付き]Google Pixel 4で夜景モードから天体写真機能をオン/星空撮影をする方法 必要な機材・環境・設定方法 https://t.co/i7lfCSTspO pic.twitter.com/EVl0UTCb86— モバハン (@mobile_hunting) November 4, 2019
Pixel4……天体写真……最高の星空……阿智村だ!
という事で、本体ゲットの翌日に阿智村の高嶺展望台に向かうという行動力を発揮してきました。
使ってみるといろいろとツッコミどころはある機能だけど、確かに天の川が映るぞ、こいつ! #Pixel4 pic.twitter.com/SittC8nakZ— はげあたま♎️🦁🌻🍒🦇🐏📶|(夢)| (@hageatama) November 1, 2019
比較的暗い場所での星空。
1. iPhone 11 Pro
2. Pixel 4 – 夜景モード
3. Pixel 4 – 天体写真
4. SIGMA fp#Pixel4 #SIGMAfp pic.twitter.com/Pmp5l0rFo2— Go Ando / THE GUILD (@goando) October 26, 2019
Pixel 4の天体撮影モード、工夫次第でもっとすごくなりました。まるで火星から見た天の川。2枚めはiPhone 11 proのナイトモードで同じタイミングで撮った写真。やはり夜の写真はPixelの独壇場の様です。
詳細レビュー、noteにあげましたー!https://t.co/5oM3k6nzPm pic.twitter.com/uQMCoirL2r
— 別所隆弘 / Takahiro Bessho (@TakahiroBessho) October 24, 2019
別所さんの写真は特にすごいですね。
こんな写真がスマートフォンで撮れる時代が来たのか……!
いずれ星空が見えるシチュエーションで自分でも試し、この記事に追記するつもりです。
なお、星空が撮れるモードはPixel 3にも搭載されるとのこと。Pixel 4と同様に撮れるのか、気になるところです。
あとがき
Pixel 3・3aでも可能だった夜景モードに加え、Pixel 4ではポートレート撮影のクオリティが上がり、ズームもより綺麗に撮れるようになりました。
また、星空の撮影やシャドー(暗い部分)のみの持ち上げも可能に。
iPhone 11も良い機種なのですが、やはりカメラ(というか内蔵のソフトウェア?)に関してはPixelシリーズの方が若干上回っていると個人的には思います。
ただ、この辺は好みもあるのでこの記事の比較なども参考にしつつ選ぶのが良いかと。
Pixelには現在のところ超広角レンズは非搭載なので、超広角撮影をしたいならiPhone 11および11 Proを選ぶことになりそうですね。
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