自炊(本の電子化)をどこよりも詳しく解説するブロガー@ushigyuです。
前回の記事までで、自炊がなぜ必要となるのか、またそのメリットとデメリットは何なのかを解説しました。
次は、いよいよ実際に使用する機器を選んでいきましょう。
まずは、紙の本を解体するために必要な裁断機からです。
裁断機を選ぶ際に重要となるポイント5つについてまず紹介し、次に現在販売されている主要な裁断機3つについてそのポイントに照らし合わせながら見ていきたいと思います。
自炊用の裁断機を選ぶポイント5つ
まずは、「自炊」つまり自宅で本を裁断するのに使う裁断機を選ぶ際に、ポイントとなる5つの基準について確認しておきましょう。
▼一、価格
言わずもがなですが、安い買い物ではないですし購入にかかる金額は大事な要素のひとつ。
▼二、裁断可能枚数
本を裁断するといっても、まるごと1冊をいっぺんに裁断できるほど巨大な裁断機はあまり市販されていません。
(されていたとしても、置き場所・価格の面から購入は現実的でないでしょう)
なので、本をいくつかに小分けして裁断することになります。
この「裁断可能枚数」の数値が大きいほど、本を細かく小分けする必要がなくなり、手間が省けます。
▼三、取扱いやすさ(大きさ、重さ)
家庭に設置するのであれば、これも重要な要素。
あまり大きかったり重いと、いくら性能が高くても普段の置き場所や移動させたいときに苦労することになります。
大きくて重いほど裁断枚数は多い傾向があるので、取り扱いやすさとのトレードオフがポイントですね。
▼四、安全性
裁断機はその名のとおり、本を裁断するための道具。
つまり、裁断する刃がついています。
ずさんな作りをしていると、この刃が露出していたりしてとても危険。
特に小さい子供がいる家庭などは注意が必要です。
▼五、メンテナンスのしやすさ(替刃など)
裁断機を長く使うには、定期的に刃やマットなどの交換が必要です。
本体を購入するときには見落としがちですが、メンテナンスの簡単さや替刃など交換部品の価格も考慮に入れておくと良いでしょう。
現在、家庭での自炊用の裁断機候補として挙げられる主なものは、以下に挙げる3種類。
② PLUS 断裁機(かんたん替刃交換タイプ)26-309 PK-513LNホワイト 裁断幅A4
これらを、上述の5つのポイントを中心に比較していきたいと思います。
① カール事務器(Carl)ディスクカッター DC-210N
私も愛用している、カールのディスクカッターDC-210。
(私が使っているタイトル画像の裁断機がDC-210、現在販売されているのはその後継機種のDC-210Nです)
この裁断機の優れているポイントは、なんといっても軽くて薄く安全(そもそも指の入る隙間がない)で、メンテナンスも容易であること。
価格も1万円しませんし(2012/9/25現在)、替刃や替マットも1,000円未満ととてもコストパフォーマンスが高いです。
逆にデメリットとしては、軽く小さいが故に裁断可能枚数は他の2機種に比べ少ないこと。
例えばマンガ1冊を裁断する場合、②PLUS裁断機なら2等分、③なら小分けにせずとも裁断できますが、このカール裁断機の場合は3〜4つに小分けする必要があります。
複数冊自炊する場合にはスキャン待ちのときに裁断できるので、自炊自体にかかる時間はどの裁断機を使っても変わりありませんが、この小分けにする作業が面倒だという方はいるでしょう。
② プラス(PLUS)断裁機 PK-513L
自炊用の裁断機として、おそらく最初に有名になったのがこのプラス断裁機PK-513L。
メリットは、①のカール裁断機の約4倍を誇る裁断可能枚数。
たくさん切れる分指を挟んだりには注意が必要ですが、ロックを外さないと刃が降りない設計になっており安全性にも配慮されています。
一方で、多くの枚数を切れる分巨大であり、自宅での置き場所には苦労するかもしれません。重量も12kgとかなり重い。
価格が3つの中でも飛び抜けて高く(約3万程度)、替刃も約1万5千円ほどするのでコスト面を考えると躊躇してしまいますね・・・。
#追記
このPLUS裁断機をより軽く、収納しやすくした後継機「180AT-P」という機種がリリースされているそうです。
もし3つの中でPLUS裁断機を選ぶのであれば、こちらの180AT-Pの方がより自炊に適した裁断機かもしれませんね。
参考記事は以下から。
【自炊】定番断裁機PK-513L買うなら180AT-Pの方が絶対にオススメ | はげあたま.org
③ プラタ(PLATA)大型ペーパー断裁機 PC009
価格と裁断可能枚数だけみると、ダントツでコストパフォーマンスが高いのはこのプラタ 大型ペーパー断裁機 PC009。
カール裁断機よりさらに安い価格(2012/9/25現在で8,700円)でありながら、最大で400枚という圧倒的な裁断枚数が売りです。
替刃も3千円程度とプラス裁断機に比べるとかなりリーズナブル。
一方で結構作りが粗く、裁断する本の固定が甘かったり、購入当初は油やホコリまみれだったり、刃が傷みやすかったりといった特徴も。
裁断枚数はダントツですが重量も17kgとダントツであり、取り回しは大変。
また、使用時は刃が露出して危険なため、ロックがついているとはいえ安全には十分注意が必要です。
結局、どれがいいの?
前述の通り、私のオススメは①の「カール事務器 ディスクカッター DC-210N」ですが、小分けが面倒なのでもっとざっくり裁断したい、置き場所は特に問題ないという方は②や③の選択肢もアリだと思います。
スペックを一覧にしてみましたので、選ぶ際の参考にしてみてください。
名称 | 価格 | 裁断枚数 | サイズ | 重量 | 安全性 | 替刃価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
カール DC-210N | 9,950円 | 40枚 | W360×L490×H80mm | 2.6kg | ◎ | 458円 |
プラス PK-513L | 28,700円 | 160枚 | W402×L400×H164mm | 13kg | ◯ | 14,500円 |
プラタ PC009 | 8,700円 | 400枚 | W380×L530×H175mm | 17kg | △ | 3,500円 |
※価格は、2012/9/25現在Amazon調べ
あとがき
自炊(本の電子化)に興味がありでもしない限り、「裁断機」なんていう物について考えたことのある方はあまりいないのではと思います。
今回挙げた5つのポイントと、3つの自炊用裁断機を比較しながらじっくり選んでみてください。
自炊まとめ記事は以下から。この記事を見れば全てわかるようになっています。
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