Books – then and now / spykster
iPadで本、読んでますか?私は読んでます!
自炊して電子化した600冊以上の本を読むのは、ほとんどがiPad。
初代iPadを買ってからずっと使っている「i文庫HD」で、とても快適に読めています。
そんなとき、ふと疑問が湧きました。ブックリーダーアプリとして最高なのは、本当にi文庫HDなのか?と。
目的や個人の好みに合わせて最適な電子書籍リーダーも変わってくるのでは?
ということで、今回はiPadで読書するにはどのアプリが良いのか?
i文庫HD・GoodReader・CloudReaders・Bookman・iBooks・ComicGlassを比較してみました。
なお、お時間のない方は文末の「これからブックリーダーアプリを買う人へ」だけお読みいただければOKです!
比較ポイント
それぞれのリーダーの全機能を紹介してもしかたないので、以下6つのポイントに絞ります。
→紙の本に近い読書感が得られるか。見開き、右/左開きの切り替えに対応しているか
→しおりや、読書中にメモを取れる機能はあるか。本に直接線を引いたり印をつけることは可能か
→Evernote、Dropboxなど外部サービスとの連携は充実しているか
→PDF、jpgをまとめたzipなど、どれだけの拡張子に対応しているか
→見た目の美しさ、使いやすさ
それでは、①i文庫HD・②GoodReader・③CloudReaders・④Bookman・⑤iBooks・⑥ComicGlass の順でいってみましょう!
①i文庫HD
もはやiPadの定番読書アプリ、i文庫HD。私もiPad購入以来ずっと愛用しています。
このアプリが最も優れているのはここ。ページをめくるエフェクトが秀逸!
見開き・右/左開きにももちろん対応しています。
使い方については、以下のエントリーをどうぞ。
【自炊(本の電子化)完全マニュアル】第5回「電子化した本をiPadやiPhone、MacやWin機で読もう!」 | おまえは今までスキャンした本の冊数をおぼえているのか?
しおり&メモ機能を標準搭載。こんな感じで表示されます。クリックするとそのページにジャンプ。
なお、アノテーション機能はありません。
読書中に書いたメモを、そのままEvernoteに送ることが可能。
読んでいる本の名前がノートのタイトルになります。
Evernoteで見ると、以下のように表示されます。
また、Dropboxにも標準対応。
アカウントを設定すると、Dropboxというフォルダが登場。
自分のDropboxの中身を参照することができます。
読みたい本を選択すると、Dropboxからダウンロード開始。
ダウンロードが終われば、問題なく読めます。
若干待ちはしますが、Dropboxを電子図書館として利用できますね!
他にも、Sugarsync、Pogoplugなど幅広いサービスと連携。
PDF、jpg、zip(jpgファイルをまとめたもの)を利用可能。
i文庫HDは、デザインも秀逸。
本棚ビュー。PDFであれば、1枚目が表紙として一覧できます。
こちらは青空文庫。数千冊もの書籍が無料で読めます。
読書中はタップでメニュー呼び出し。読書に必要十分な内容がわかりやすく配置されています。
800円と若干高め。
しかしこれだけ使いやすいアプリですから、納得の価格設定。
「iPadで本を読みたい!」という方に自信を持ってオススメできるアプリです。
②GoodReader
高機能すぎてもはや何アプリかもわからない…というくらいとんでもないアプリ、GoodReader。
もちろん、本を読むこともできます。
ページめくりのエフェクトはなし。タップかスライドでページめくりができ、見開きにも対応しています。
ただ、このアプリは海外製のため、日本に多い右開きに対応していないという致命的弱点が…
見開きのページを表示すると、こんなんなってしまいます^^;
しかしちょっと調べてみると、右開きで本を読む裏技があるとのこと!
上記記事によると、Turn Page Upside-Downで、表示を上下逆さにすれば右開きでもいけるらしい。
Turn Page Upside-Downに設定して、画面ロック。
iPadを逆さにして読むと…
おおおお右開きできる!!こんな方法があったとは。
若干面倒ですが、慣れればサクっと切り替えできるのでこれもアリですね。
しおり(Bookmark)、アノテーション(Annotation)機能を搭載。
i文庫HDのようにしおりへのメモ付加はできないようです。
GoodReaderは、特にアノテーション機能に優れたビューアー。本に直接印を付けたり書き込みたい人にはピッタリ!
以下の記事で詳しく解説しています。
ここでも簡単に紹介。
アノテーションをつけたい部分で長押しすると、こんなメニューが。
テキストコピーからコメント、マーカー、図形の描画などいろいろできます。
マーカーを引いたり矢印や図形書いてみました。
アノテーションを付けたPDFは、そのものに上書き保存はもちろん、元ファイルはとっておいて別ファイルで保存することも可能です。
外部連携も、GoodReaderの売りのひとつ。
DropboxやSugarSyncをはじめ、GoogleDocs、iDiskなど数多くのサービスと連携しています。
PDF,jpg,txtをはじめ、様々なドキュメント、画像、動画、音声ファイルに対応しています。
画像:.jpg, .jpeg, .gif, .tif, .tiff, .bmp, .bmpf, .png, .ico, .cur, .xbm
音声:.aac, .adts, .ac3, .aif, .aiff, .aifc, .caf, .mp3, .m4a, .snd, .au, .sd2, wav
動画:.mov, .mp4, .m4v, .3gp, .mpv
その他:MS Officeファイル(Word, Excel, PowerPoint), .html, iWorkファイル(Pages, Numbers, Keynote)
もはやブックリーダーっていうレベルじゃない。
但し、jpgをまとめたzipファイルを本として読むことはできないようです。
(解凍することは可能)
デザインは悪くないのですが、あまりにも高機能すぎてボタンやメニューが所狭しと並んでいます。
さらに英語であることもあり、慣れるまでは若干ハードルの高いUIと言えるでしょう。ですが使いこなせば相当いろんなことができます。上級者向け。
最初は115円だったのですが、徐々に値上がりし現在では600円。しかしそれでも安いと思えるほど高機能なアプリです。
アノテーション機能や、その他GoodReaderにしかない機能を使いたい方はコレ一択ですね。
③CloudReaders
CloudReadersは日本人作者さんによるグローバル対応アプリ。しかも無料!
MicrosoftでWindowsやIEの開発に関わったり、ベンチャーを立ち上げたりとものすごい経歴の方が開発者です。
作者様ブログはこちら↓
このアプリは見開き、右/左開きともに対応です。無料でこれはすごい!
但し、ページめくりに関してはちょっと特殊で、スライドしていく方式。
本を開いた状態で、ページをめくると…
これは好みが分かれるところかと。もちろん、読む分には問題ありません。
しおりやメモ機能はありません。
アノテーションに関してはちょっと特殊で、読書中に上部のボタンを押すことで同じ作者様の手書き編集アプリ、neu.Notesを開くことができます。
ここで開いていたページに線を引いたりすることが可能。
ただし、このneu.Notesは基本的に手書きアプリなので、テキスト認識してマーカーしたりといった機能はありません。
また、1度に編集できるのは1ページのみなので、アノテーションを付けたい場合はページごとにneu.Notesを起動し、書き終わったら手動でCloudReadersに戻る必要があります。
neu.Notes自体は優秀なアプリ(しかも無料!)なのですが、本に線を引くたびに起動するのはちょっと面倒かも。
外部アプリとの連携は、上述のneu.Notesのみです。
jpg入りzip、PDFのほか、RAR、CBR、CBZも扱うことができます。
機能を絞っているだけに、とてもシンプルでわかりやすいです。
余計な機能はいいから、とにかく普通に本を読みたい!という人にはうってつけでしょう。
無料!
ページのめくり方が特徴的だったり、しおりが無いなど機能は絞り込まれていますが、無料でサクサクと本が読めるアプリとして使えそうです。動作が軽快!
④Bookman
今回ブックリーダーの比較をするにあたり色々調べている中で発見したのが、このBookmanというアプリ。
見開き、右/左開き共に対応。
ちゃんとページめくりのエフェクトもついてます。
自炊した電子書籍用のビューアーとしてもいい感じ。
しおり(ブックマーク)機能あり。メモ、アノテーション機能はついていません。
Dropboxとの連携機能がついており、Dropboxに置いた本をダウンロードして読むことができます。i文庫HDやGoodReaderと同様の機能ですね。
このBookmanでは、複数同時ダウンロードもできますよ。
jpg入りzip、PDFのほか、RAR、CBR、CBZを閲覧可能。
しおり(ブックマーク)の追加にはi文庫HDと比べ若干手数がかかるのが気になるところ。
左開き/右開きの切り替えは設定から、これも最初はわかりにくい?かも(あくまでi文庫HDに比べて、ですが)
ですが、本棚ビューやページめくりのエフェクトなど、定番アプリi文庫HDと比べても遜色ないレベルだと感じました!
本棚ビューはこんな感じ。
250円とかなり安い。
日本向けのブックリーダー専用アプリということで、どうしてもi文庫HDと比べてしまいますが。。。
細かい使い勝手や連携機能などを比べると、まだi文庫HDの方がやや優れているかな、というところです。
とはいえ、自炊本用のブックリーダーとして必要な機能をきっちり備えており、十二分に使えます。
そしてなんといっても安い!!ジュース二本分の値段。もっと取ってもいいんじゃないかと心配するくらい…^^;
今回のレビュー記事を書くにあたり、一番の掘り出し物アプリでした。
作者様はアップデートも細かくされているようなので、今後さらに期待できそうです!
⑤iBooks
お次は、Apple公式アプリのiBooks。
基本的にはiTunes Storeから購入した本を読むために作られていますが、自炊したPDFも読むことができます。
iTunes Storeで購入した本なら見開きにできるのですが、PDFファイルは見開きにできません。
(iTunes Storeに日本語の本はまだありませんが…)
iPadを横向きにしても、表示されるのは1ページのみ。ちょっと寂しい。
さらに、左開き固定のため右開きはできません。日本に多い右開きの書籍はちょっと読みづらい。
しおり機能あり、メモ、アノテーション機能は無しです。
ただこのしおり機能ちょっと使いづらく、以前しおりを付けたところに飛ぶには
1. ページ一覧表示
2. しおりボタン押下
3. 目的のページを選択
という手順を踏む必要があります。
外部アプリとの連携機能はありません。
PDF、ePub(電子書籍)形式に対応。jpgやzipは読めません。
本棚ビューは、i文庫HDやBookmanと同様に表紙が一覧で見られていい感じ。
ですが、上でも述べた通り見開きや右開きができない、しおり機能もイマイチ使いづらい、読書中下部に出てくるサムネイルの存在意義がよくわからない、など。。。
自前のPDFファイルを見るにはちょっと使いづらいです。
最初から入っている「Winnie-the-Pooh」の見やすさからして、iTunes Storeで購入した書籍であれば快適に閲覧できそうなのですが。
とりあえず、日本語の本もiTunes Storeに並べてほしいところです。
元々iTunes Storeで購入した書籍を読むためのアプリなので、無料。
自前のPDFを見るためのアプリとして、現時点では①〜④に及ばないという印象ではありますが、
今後iCloudとの連携やアップデートでで大化けする可能性はあるかと。
今後に要注目ですね!
⑥ComicGlass
ComicGlassは、特にマンガを読むことを想定して作られたiPadアプリ。
フォロワーさんからの情報で追記したのですが、これもi文庫HDやBookmanに匹敵する優秀なアプリです!
i文庫やBookmanのようなエフェクトはありませんが、2ページずつスライドするので特に違和感は感じません。
見開き、右/左開きにも当然のごとく対応。
基本的にコミックリーダーのため、メモやアノテーション機能はありません。
しおり機能は備えていますが、とても簡易なもの。
画面をタッチしてプラスボタンで完了。
付けたしおりへは本のボタンから飛べます。
他のアプリのように、しおりに名前を入力する機能がありませんが、その分シンプルでわかりやすい。
外部アプリとの連携はなし。
ただし特筆すべき点として、「MediaServerからダウンロード」の機能内に、Jコミからのダウンロードがデフォルトで搭載されています。
本の転送メニューから、ComicGlass Libraryを選択。
「Jコミのミラー」から、Jコミにアップロードされているマンガがダウンロードできます。
今回は「ラブひな」をダウンロードしてみました。
ダウンロード中。。。
バッチリダウンロードできました。もちろん快適に読めます。
jpg入りzip、PDFのほか、RAR、CBR、CBZを閲覧可能。
Bookmanと同じですね。
マンガ用ビューアーを謳っているだけあり、デザインは全体的に非常にシンプル。
読書中にタップで表示されるボタンも少なく、扱いやすいです。
他の読書用アプリにある本棚ビューも標準搭載。見やすい。
230円。
シンプルで完成度の高いアプリです。
外部連携等の機能は少なめですが、こと「読む」だけに特化するのであれば、コストパフォーマンスや動作の軽快さも相まって最もオススメと言えるかも。
これからブックリーダーアプリを買う人へ
以上から、これからブックリーダーアプリを買う人向けのオススメの選び方を紹介。
- まず、Bookman LiteとCloudReaders(どちらも無料)を試してみる。
- 満足できればそのまま使う。Dropbox連携や広告非表示機能がついたBookman有料版(230円)を購入もあり。
- UIや動作などに満足できなければ、i文庫HDを検討する。これ買っとけばほぼ間違いなし。
- 線を引いたり文字を書いたり、アノテーション機能を使いたい人はGoodReader一択。
GoodReaderは特殊なので置いておくとしても…。
当初は「ちょっと高いがi文庫HDで間違いなし!」という結論に至るはずだったのですが、Bookmanの出来が予想以上(失礼)に良く、i文庫HDと今後人気を二分するかもしれないと思っています。
まだi文庫HDほど知名度は高くないですが、「Bookman」良いアプリなのでぜひ使ってみてください!
#2011/6/14 ComicGlass追加に合わせて追記
フォロワーさんの勧めでComicGlassのレビューを追記。
「読む」ことに特化した素晴らしくシンプルで使いやすいアプリでした!
i文庫HDを買っておけば間違いはありませんが、コストパフォーマンスを考えるとBookmanやComicGlassの方が良いかも。
悩ましいですね。。。
上記レビューを参考に、自分の用途に合わせて選んでみてください!
#追記ここまで
なお、今回の記事のスクショに載っている電子書籍は、全て紙の本を自炊したもの。
このブログでは自炊について詳しく解説していますので、興味のある方は以下のまとめ記事をどうぞ!
本の自炊方法まとめ。裁断、スキャンからタブレット・Kindleでの読書まで徹底解説!
関連記事は以下から。
- 関連:電子書籍(×iPad×Evernote)で実現する新しい読書スタイル『クリップ読書』のススメ
- 関連:iPadは長距離移動に最高のデバイス。仕事、読書、音楽、映画、ゲーム…全てこれ1つで。
- 関連:[iPad]手を触れずに読める魔法のアプリ「MagicReader」自炊(電子化)した本がタッチフリーで読める!
ComicViewerはいかがでしょうか?
http://pippin.cathand.org/comicviewer-ios