当記事は2010年に書いたもの。基本は変わらないものの裁断機やスキャナーの新機種など多くの情報が更新されています。
それらも含めて、以下の記事に本を裁断・スキャンしてデータ化する”自炊“についてまとめてあります。
この記事だけチェックしておけばOKなように随時更新していきますので、こちらもチェックしてみてください。

今回は、電子化した本をPC(Mac、Windows)、iPad、iPhoneで読む方法です。
本を読むソフトやアプリ(以下ビューアー)については、読む人のスタイル、本のジャンル等々によって非常に多くの選択肢があります。
デバイスもそこで使うビューアーも、その人と本により適したものを選ぶことができれば、電子読書ライフもより充実したものになります!
どれがベストのビューアーか、というのは人によって違うかと思うのですが、
今回は私が使っている・知っている方法をいくつか紹介します。
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【自炊(本の電子化)完全マニュアル】 全2+6+1回シリーズ
第4回「本に合わせてScanSnapを設定し、スキャンしよう!」
☆ 第5回「電子化した本をiPadやiPhone、MacやWin機で読もう!」
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電子読書に必要な機能とは?
人や本によって異なる電子読書のスタイル。では、それに応じて必要になるビューアーの機能とはなんでしょう?
以下に主なものを挙げてみます。
- 見開き表示
- 左開き/右開きの切り替え
- 表紙のあり/なし(これがないと見開きが1ページずれる)
→いずれも基本的な機能だが、ベーシックなソフト(Adobe製品、Macのプレビューなど)だと搭載されてない場合も。iPhoneではそもそも見開き表示ができない。 - 設定の簡易さ
→開くたびに設定変更しないといけなかったり、設定がいちいち面倒だったりする場合あり。読書用に作られたビューアーはボタンで直感的に操作できるものも多い。 - テキストコピー
→ビジネス書等を読む場合、OCR認識したテキストをコピーしてメモしておきたいときがある。ベーシックなソフトだとだいたい可能だが、読書用ビューアーの場合できないことも。 - 「しおり」や「メモ」機能
→気になったところにしおりを挟んだり、メモを追加する機能。読書用ビューアーやアプリ選びのポイント。 - 外部連携
→DropboxやEvernote等との連携。iPadやiPhoneのビューアー選びはここがポイント。
だいたい主要な機能は以上でしょう。これらの機能があるかどうかと、自分のスタイルに合わせてビューアーを選んでいきましょう!
Macで読書
・ushigyuのオススメ「Comic Viewer」
私がMacで本を読む際に使っているのは、CatHand Softwareさんが作っている「Comic Viewer」というフリーソフトです。
このビューアーは名前にある通り、主にマンガを読むために作られたソフトですが、Macでの読書に必要な機能をほぼ備えている優秀なソフトです。
PDFの閲覧方法もとても簡単。手順は以下の通り。
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ソフトをインストールしたら、電子化したPDFファイルをドラッグ&ドロップ。これでPDFファイルを開けます。
見開きが逆の場合は、タスクバーのボタンでワンタッチ切り替え。
表紙のあり/なしの設定も、同じくボタンで一発切り替えできます。
しおりの追加もでき、後でしおりを挟んだ部分だけ確認することができます。
ツールバーはドラッグ&ドロップでカスタマイズ可能。直感的でわかりやすい!
私にとって足りないところとしては、テキスト認識に対応していない点。
元々マンガを読むために作られたせいか、OCR設定済みの本でもテキスト選択&コピーができません。。。おしい!それ以外は完璧といっていいのに。
ちなみに…
・Macでの標準的アプリ
- ・Macプレビュー
→見開き表示可能だが、左開き/右開きを設定できないのが致命的。WindowsでいうAdobe Readerに近い。
ただComic Viewer等のビューアーではできないテキストコピーができるので、本文を引用したりメモしたい場合には良いかも。
Windowsで読書
・ushigyuのオススメ「Leeyes」
現在Macユーザーの私がWindows時代に使っていたのが、この「Leeyes」というソフト。
このソフトもComic Viewerと同じく主にマンガを読むために作られている印象です。
読書に必要な一通りの機能を備え、加えて画面左側に表示されるエクスプローラからファイルを選ぶことで、いちいちメニューからファイルを選んだりドラッグ&ドロップしなくても快適に本が読めます。
但し、若干面倒な点が一つ。…このソフト単体だとBMPファイルしか読み込めません!
PDFに対応した「Susieプラグイン」をインストールする必要があります。
手順は、以下のサイト記事が詳しいです。
ここでもレクチャーしようと思ったのですが、現在帰省中で手元にWindows機がなく、断念(–;)
ちなみに…
・Windowsでの標準的アプリ
- ・Adobe Acrobat
→左開き/右開きの設定、表紙の設定(1ページずれの解消)も一応可能。ただ、設定変更をいちいちメニューから探すのが面倒。
機能としては一通り備えているので、慣れれば良いかも。 - ・Adobe Reader
→Macプレビューと同じく、見開き表示可能だが、左開き/右開きを設定できないのが致命的(Acrobatではできるのに!)。
iPad、iPhoneで読書
・ushigyuのオススメ「i文庫」
iPad、iPhoneでの読書を語る上で、まずこのアプリを紹介しないわけにはいきません。
定番アプリ「i文庫」です!
iPadなら「i文庫HD」。
iPhoneなら「i文庫」。
i文庫の主な特長は、以下の通りです。
- 左右見開きの変更、表紙ありなしの変更、しおり追加といった基本機能に漏れなし
- 著作権の切れた本(青空文庫)を内蔵
- ページごとにメモ追加可能(i文庫HDのみ)
- あくまで「読書体験」を重視した、ページをめくるエフェクト(i文庫HDのみ)
- 追加したメモのEvernote連携、Dropbox連携など、アップデートのたびに使える外部連携が追加(i文庫HDのみ)
ここまで必要十分な機能を備え、かつ進化し続けている(ここ重要!)アプリだからこそ、
お気に入りのビューアーとしてずっと使っているんです。
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それでは、iPad/iPhoneの「i文庫HD」(or 「i文庫」)で本を読む手順です。
※以下、iPadの「i文庫HD」を例に説明します。
ファイル単位の追加は簡単にできるのですが、シリーズ物やマンガ全巻など、1冊ずつ追加するのはかなり面倒。
というわけで、フォルダ単位で追加する方法を紹介します!
まずは、読みたい本を入れた”.pkg”フォルダを準備します。
※iTunesではフォルダを直接追加はできないので、フォルダの中に本を入れておき、拡張子”.pkg”を付加することで、ファイルとして認識させるのです。
まずは、こんな感じでPDFファイルを入れたフォルダを準備。
フォルダ名の後ろに”.pkg”をつけます。警告が出ますがスルー。
するとこんなアイコンに。
次に、作ったpkgファイルをiPadへ転送します。
iTunesを起動し、iPadのAppタブ内「ファイル共有」からiBunkoHDを選択し、追加をクリック。
追加でpkgファイル(フォルダ)を選択。
これで、選択したpkgファイルがiPadと同期されます。
同期が完了したら、iPad側で「i文庫HD」を起動させると…きっちり転送されてます!
ちなみに、pkgファイル内のにフォルダを作っておけば、階層構造も問題なく作れます。
左開き/右開き、表紙あり/なしの変更は右上のボタンで。
しおりの追加やEvernoteへのメモ転送など、外部連携も充実。
さらに機能追加を望むとすれば、(Comic Viewerのときと同じになりますが)OCR済みのテキストを認識し、コピー/メモできる機能。
この機能があれば、気になった本文をわざわざ打ち込むことなく、コピーしてEvernoteに転送できるように!
そうなればもう完璧!@nagisaworksさん、ぜひぜひお願いいたしますm(__)m
ちなみに…
・iPad、iPhoneでの標準的アプリ
- iBooks(無料)
→無料でダウンロードでき、自炊したPDFも閲覧可能。
ただし、見開き表示と左開き/右開き変更に対応していない。
自分でお気に入りのビューアーを探そう!
ビューアーの紹介は以上です。いかがだったでしょうか。
本を自炊して電子化したら、ぜひ上記のビューアーを使ってみてくださいね。
私自身、この分野はやや深耕が甘い部分もありますので、もし他に良いビューアーを見つけたらTwitter(@ushigyu)やコメントで教えていただけたら嬉しいです!
次回はヘビーユーザー向け…かも
何でもそうですが、裁断機もスキャナーも、ずっと使っているとメンテナンスが必要なもの。
次回はヘビーユーザーならではのメンテナンスの話題。部品交換や手入れについてご紹介します!
乞うご期待。
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