2014年12月17日
節約

Foreign currency deposit fx title
Foreign Currency and Coins / bradipo

浮いた資金がある程度貯まってきていたので、株や投資信託、定期預金などいろいろ調べていました。

円定期預金は元本割れせず安全ではありますが、金利が非常に低いのと、近年の円安により世界で見ると相対的な価値はどんどん下がっています。

そこで一部の資金は外貨に変えておこうと思い、外貨預金を検討していました。


私の知る限り円を海外通貨に替える方法として代表的なのは「外貨預金」「FX」「外貨MMF」の3つ。

「預金」というとなんだか一番安全そうな気になってしまいがちですが、調べたところ実はそうでもありません。

FXはレバレッジをかけて少ない金額で大きな額の取引をすることが可能で、ハイリスク・ハイリターンの印象が強いですが、うまく使えばコストの安い外貨投資として扱うことができます。
また、外貨MMFも税制の面で他の比べ有利な点あり。ですが一般にはそれほど知られていない金融商品でもあります。

今回は、円を外貨に替える代表的手段「外貨預金」「FX」「外貨MMF」を比較して、それぞれどんな特徴がありどんな人に適しているのかを考えてみました!


外貨預金、FX、外貨MMFの概要

まず、ざっくりと外貨預金、FX、外貨MMFの概要をおさえておきましょう。

▼外貨預金

外貨預金とは、おもに銀行が取り扱っている外貨建ての預金のこと。各国の政策金利によって利率が異なる。つまり低金利の日本よりは利息が多くつく場合がほとんど。
(ただし、為替差益・差損の方が大きくなる場合が多い)

▼FX

FX(外国為替証拠金取引)は、証拠金をFX業者に預けて外貨売買を行うもの。レバレッジを調整することで手堅く取引することも、ハイリスクを負ってハイリターンを目指すこともできるのが特徴。頻繁に売買をすることが想定されているためか、手数料が安く売買も簡単な傾向あり。取引ツールも非常に充実している業者が多い。
外貨預金や外貨MMFと違い、「売り」から入れるのも特徴の1つ。値下がりを期待するのであればFX一択となる。

▼外貨MMF

外貨MMF(外貨建マネー・マーケット・ファンド)は、海外通貨で運用する投資信託のこと。投信とはいっても安全性の高い債権などに投資しているため、外貨預金と同程度の安定したリターンを得ることができる。少額から始めることができ、解約などの柔軟性も比較的高い。

スプレッド、手数料

まず、必要経費を比較してみましょう。

それぞれ業者や扱う外貨によっても大きく違いますが、今回はそれぞれ代表的な業者で比較することにします。外貨預金は「住信SBIネット銀行」、FXは「DMM FX」、外貨MMFについては「カブドットコム証券」、扱う通貨は最もスタンダードな「米ドル」を例にとって計算してみました。
(なお、いずれも手数料等のコストが最安クラスの会社です)



外貨を購入・売却する場合、「スプレッド」という価格差を考慮する必要があります。
このスプレッドは外貨取引の往復分手数料に相当し、大きければ大きいほど支払う手数料が高いのと同義。

前述の業者について外貨預金、FX、外貨MMFのスプレッドを比較してみると圧倒的にFXが安い。

・外貨預金:18銭
・FX:0.3銭
・外貨MMF:40銭
(いずれも1ドルあたり)

FXと外貨預金では60倍、外貨MMFとでは133倍も差があるんですね。。。


これがどのくらいの差になるのか、私が口座を持っている住信SBI(外貨預金)とDMM FXについて、実際の取引画面を見つつ円⇔ドルの往復取引をした場合を考えてみましょう。

住信SBIネット銀行の場合

Foreign currency deposit fx 1

100万円をドルに替えると、1,000,000円/118.61=8430.99ドル
それをまた円に戻すと、8430.99×118.43=998,482円
かかった手数料は1,518円


DMM FXの場合

Foreign currency deposit fx 2

100万円をドルに替えると、1,000,000円/118.461=8441.60ドル
それをまた円に戻すと、8441.60×118.458=999,975円
かかった手数料は25円

ちなみに、同様の手順で外貨MMFの手数料を計算すると3,377円となりました。


FXと他の2つでだいぶ差がありますね。。。

再度言っておきますが、住信SBIネット銀行、カブドットコム証券はそれぞれ外貨預金、外貨MMFの手数料最安クラスですよ。
FXがそれらに比べて手数料安すぎるのです。

おそらく、FXは何度も取引をすることを想定しているのでこれだけの差が出ているのでしょう。


ちなみに、三菱東京UFJなど都市銀行の外貨預金手数料はこれよりも圧倒的に高く、スプレッドは窓口だとなんと2円(200銭)、ネット取引でも50銭とかなり高い!はっきり言って論外です。やめておきましょう。

また、通貨がマイナーになればなるほどそれぞれ手数料も高くなるのでご注意を。

▼まとめ

手数料は、FXが外貨預金・外貨MMFに比べ圧倒的に安い。
メジャー通貨ほど手数料が安く、マイナーになればなるほど高い。

利息、スワップポイント

▼外貨預金

外貨預金には、当然のことながら利息がつきます。

利率は各国の政策金利によって決まるのですが、米ドルに関しては日本ほどではないもののかなりの低金利。

現時点(2014/12/13)での住信SBIネット銀行での利率は、外貨普通預金で0.020%、外貨定期預金で0.210 %(1万通貨未満の場合)となっています。

▼FX

FXの場合、利息がつかない代わりに「スワップポイント」というものがつきます。

これは、各国の通貨の金利差による差額を得る/払うというもの。
金利の安い通貨を売って高い通貨を買うとスワップポイントを得られ、その逆の場合には支払うことになります。

日本はご存知の通り超低金利のため、外貨を買うとほとんどの場合スワップを得ることになります。

米ドル×DMM FXの場合はどうかというと、現時点では1万通貨あたり1日1円程度。

▼外貨MMF

外貨MMFの場合も、外貨預金の利子と同様に分配金がもらえます。
米ドルの場合、現時点での利回りは0.10%。

▼100万円を1年間預けた場合での試算

さて、これらの利息およびスワップポイントを100万円分の場合で計算してみましょう。

・外貨預金(普通):1,000,000(円)×0.0002(利率)=200円
・外貨預金(定期1年):1,000,000(円)×0.0021(利率)=2,100円
・FXスワップ:1,000,000(円)/120(円/ドル)/10,000(通貨)×1(円)×365(日)=304円(※1ドル120円で計算)
・外貨MMF:1,000,000(円)×0.001(利率)=1,000円

というわけで、1年という縛りがある分外貨定期預金の利息が最も高く、次いで外貨MMF、FX、外貨普通の順となりました。
自由に解約し引き出せるものを選ぶなら、この条件だと外貨MMF>FX>外貨普通預金となるようですね。

なお、以下の3点はご留意ください。
・通貨や業者ごとに利率はもちろんスワップも違う
・各国の金利政策や市場動向によっても大きく変わってくる
・多くの場合、利息やスワップよりも為替差益(差損)の方がずっと大きい

▼まとめ

(今回設定した条件においては)外貨定期預金が最も高い。ただしいつでも解約・引き出しができるという条件であれば、外貨MMF>FX>外貨普通預金の順。

ただし、通貨や業者、市場動向によっても大きく異なる。
また、利息・スワップよりも為替差益(差損)の方が圧倒的に大きくなる可能性が高いので、さほど重視しなくてもいいかも。

安全性(預金保険制度)

▼外貨預金

外貨預金は、預金保険制度の対象ではありません。よって、万が一金融機関が破綻した場合には預けた資産を一部カットされるリスクがあります。

預金保険制度
・外貨預金は、預金保険制度の対象ではありません。
外貨普通預金 – 為替コスト・金利|住信SBIネット銀行より)

▼FX

FXの場合、これも業者によりますが多くの場合「信託保全」を行っており、万が一業者が破綻した場合でも信託法により資産は保全されます。

信託保全されたお客様の資産は、万が一当社が破綻した場合であっても保全されます。なお、信託先銀行が破綻した場合も信託法により信託先銀行固有の財産から切り離して取扱われるため、信託財産として保全されます。
安心の信託保全 – FX/CFD取引のDMM.com証券より)

多くの方のイメージとは逆かもしれませんが、この点においては外貨預金よりFXの方が安全なんですね。
(そうそう銀行が破綻するというこはないとは思いますが)

▼外貨MMF

外貨MMFは法律により分別管理(顧客資産と会社の資産を分けて管理すること)の対象とされているため、万が一証券会社が倒産した場合でも預けた資産はそのまま戻ってきます。

万が一預けている証券会社が倒産してもその資産は保全されます。
外貨建MMF7つの基礎知識 |投資入門ガイド|はじめての方へ|株のことならネット証券会社【カブドットコム】より)

▼まとめ

イメージとは異なり外貨預金のみ資産保護されない。
金融機関破綻の可能性は低いが、万が一を考えるなら信託保全されているFX業者もしくは外貨MMFを選ぶのが安全。

税金

▼外貨預金

外貨預金の場合、利息と為替差益(差損)にかかる税金がそれぞれ異なります。

利息に対しては一律約20%の源泉徴収が自動的にされるため、確定申告の必要はありません。
為替差益は雑所得(総合課税)となり、他の総合課税の雑所得と通算して20万円以上なら確定申告が必要となります。損失の繰り越しはできません。税率は5〜40%の累進課税。

▼FX

FXの場合、為替差益(差損)とスワップにより得た利益は雑所得(申告分離課税)となり、一律20%課税されます。先物取引など他の分離課税される雑所得との通算が可能で、20万円を超えた場合に申告が必要。損失は最大3年間繰り越すことが可能です。

▼外貨MMF

外貨MMFの場合、分配金には外貨預金の利子と同じく源泉分離課税となり、一律20%。

そしてここが外貨MMF最大のメリットともいえるのですが、為替差益にはなんと非課税となっているのです。ただし、損を被った場合にもFXのように損益通算はできないので注意。

また、非課税なのは2015年末までであることにも注意が必要。
2016年からは、FXと同様、一律20%の申告分離課税となります。



なお、外貨預金、FX、外貨MMFのいずれも満期・解約および決済をした場合にのみ税金が発生し、含み益(含み損)の状態では税金はかかりません。

外貨MMFについては、2015年末時点で利益が出ている場合には一旦売却をして確定させ、損失が出ている場合には損益通算が可能な2016年までは保有しておくとよいでしょう。

確定申告すべき条件など上記では網羅しきれない例外もあったりするので、一度自分の場合はどうなるのか調べるなり、専門家に聞いてみることをおすすめします。

▼まとめ

外貨預金利息・外貨MMF分配金に対しては20%の源泉分離課税、外貨預金の為替差益に対しては5〜40%の累進課税(所得により異なる)、FXの為替差益に対しては20%の申告分離課税。
外貨MMFの為替差益は非課税だが、2016年よりFXと同様の申告分離課税となる。

いずれも一定額以上の利益を得た場合に確定申告が必要。

FXおよび2016年以降の外貨MMFについては、最大3年の損益通算ができるため損した年も確定申告をしておくと後で得する可能性あり。

FXの大きな特徴は「レバレッジ」

ここまで見てきたところでは、FXにも手数料などの点でかなりのメリットがあることがわかるかと思います。ですが最も大きな注意点は「レバレッジ」です。

▼ハイリスク・ハイリターンを可能にする「レバレッジ」

FXには外貨預金や外貨MMFにない、ハイリスク・ハイリターンの取引を可能にする仕組みがあります。それが「レバレッジ(てこ)」。

例えばレバレッジを25倍に設定すると、単純計算で100万円を使って2,500万円の取引ができてしまいます。自制心が利かない人にとってはかなり危険な状態。

レバレッジをかけて高額の取引をすると、リターンが大きい分、最悪の場合数百万、数千万といったお金が一夜にしてマイナスになってしまうことだってあり得ます。

これが「FXは怖い」「手を出すべきでない」といわれる所以。

▼レバレッジをうまく使って、手堅くFXをする手もある

ただ、例えば約100万円ほどを外貨預金をしたいのであれば、FX口座で
・レバレッジを1倍にする
・レバレッジ25倍で、その口座に100万円預ける
といった形を取り、例えば1万通貨買ってそのままずっと保持する、といった取引の仕方をしておけば、コストの安い外貨預金のような扱いができます。(少なくとも私が考えた限りでは)


為替が上下するとどうしても売り買いをしたくなるものですが、素人の私達は取引をすればするほど損が拡大するリスクを負ってしまいます。FXは、取引をするのがとても簡単なためそのハードルが低い。

その衝動を抑える自信がないのであれば、素直にレバレッジ1倍にするか外貨預金や外貨MMFを選んだ方が良いかもしれません。
(ちなみに前述のDMM FXはレバレッジ25倍しか選べないため、1倍が選べるマネーパートナーズなどの業者にするのが良いでしょう)


なお、私はレバレッジ25倍をかけるやり方でFXで1万通貨を購入して保持しつつ、預ける額は50万程度にして残った金額を定期預金として別途預ける…なんてことをしています。

このやり方だと万一の外貨値下がりの際もロスカットされる金額までいく可能性は低く、きちんと為替差益とスワップを享受でき、かつ残りの金額を別に預けた分の利子も得られると考えてこの方法を取っています。
(上記文章の意味のわからない方は、手を出さない方が吉。意味のわかる方はこの方法が本当に良いかどうかツッコミを入れてくだされば……)

一覧表

外貨預金
住信SBIネット銀行
FX
DMM FX
外貨MMF
カブドットコム証券
手数料 1ドルあたり18銭(片道9銭) 1ドルあたり0.3銭 1ドルあたり40銭(片道20銭)
利息、スワップ 0.02%(普通)
0.210%(1年定期)
1万通貨あたり1円/日
(約0.03%)
0.10%
安全性 保全されない 信託保全 信託保全
税金 利息:20%源泉徴収
為替差益:5-40%総合課税
損失は当年のみ他の所得と通算可
20%申告分離課税
最大3年損失を通算可
分配金:20%源泉徴収
為替差益:非課税
(但し2016年より20%申告分離課税)
最大3年損失を通算可
レバレッジ なし 最大25倍 なし

あとがき

取引のしやすさや手数料の安さで選ぶならFX、税金の安さで選ぶなら外貨MMF(※2015年まで)といったところでしょうか。
比べてみた限りでは、外貨預金を選ぶ理由はあまり見当たらなかった印象です。


大きなお金が動くことなのでなるべく詳しく説明したつもりですが、私は金融の専門家ではないのでもし勘違いしている点などあればTwitter等で遠慮無く指摘してください。すぐに訂正いたします。

人によっては耳慣れない単語やよくわからない数字がたくさん出てきて混乱したかもしれませんが、一度しっかり知識を蓄えておけば後々の資産につながってくるかもしれない内容でもあります。

リテラシーを高めることで変な儲け話にもだまされにくくなるでしょう。

為替の変動や超低金利、インフレもあり、もはや円定期預金しときゃ安心という時代ではなくなりました。

今回の話に限らず、これを機にお金の知識を身につけるのもよいのではないでしょうか。

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