2014年8月19日
Webサービス

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Photo by フリー写真素材ぱくたそ

【記事タイトルにある利用規約は8/19 13:30時点で修正されたようですので、その旨追記しました】

ネットの一部で話題になっていた「Enno」という文章校正サービス。

便利なサービスが出てきたんだなあと思って眺めていたのですが、Facebook友達が指摘していた内容を見て驚愕。

どうやら、このEnnoの利用規約に(少なくとも私の感覚からすれば)とんでもないことが書かれているようなのです。

それは「サービスに書き込んだ文章の著作権は全部もらうよ」というもの。
な…何を言っているのかわからねーと思うが(ry

詳しく見ていきましょう。

「Enno」に書き込んだテキストの著作権は、全て運営団体に譲渡される…らしい

Ennoの利用規約ページを読んでいくと、以下のような文章が。
(利用規約が改変・削除された場合はこちら。 ※魚拓はキャッシュ禁止で取れませんでした)

「Enno」における利用者の書き込みテキストに関する著作権については、利用者が書き込みした時点においてその一切が運営団体に譲渡されるものとし、運営団体は当該テキストを利用した出版等のあらゆる事業を行うことができます(著作権法27条及び28条に規定される権利も運営団体に譲渡されます)。

・・・え?ということは例えば出版のために文章を書いていて、最後の校正にEnnoを利用したらその文章の著作権が丸ごと運営者に譲渡され、その文章で出版やらなんやらできちゃうってこと・・・?
しかも「譲渡」だから元の作者は出版しちゃダメ、と・・・?

ただし、運営団体は当該テキストについて、書き込みを行った利用者自身が利用することを許諾するものとします。

一応、「許諾」はしてもらえるらしい。なぜ元の著作者が許可を出されている側なのかわからないけど。

利用者は当該テキストの権利帰属に関して、運営団体及び運営団体が指定する者に対して、いかなる権利の主張及び行使も行わないものとします。利用者は、運営団体による書き込みの削除、利用者が登録したアカウント情報の削除を含めた全ての対応について、運営団体に対して異議を唱えないことに同意します。

利用者はこのことに関し権利を主張しないでね、という予防線(?)もばっちり。


ちょっと前にテレ朝の始めた動画投稿サイトで似たような騒動がありましたが(参考:テレ朝動画投稿サイトの利用規約酷すぎる 謝礼ナシ、「賠償義務あり」にネットで「大炎上」)、まさか文章校正サービスにこのような規約が載っていようとは、利用者は夢にも思わないでしょうね。。。

こんな利用規約1つで、著作権って本当に譲渡されてしまうものなんでしょうか?
法律に詳しくないので実際のところはわかりませんが、少なくともこんなことを利用規約に載せちゃうサービスは利用したくないな、と個人的には思います。

仕様には「文章はデータベースに保存しない」との一文が。では文章はどこにいってしまうのか

一方、Ennoの仕様(スナップショットはこちら)ページには以下のような記述も。

チェックする文章が外部に漏れないように配慮しています。

・チェックされた文章は、一切データベースに保存しません。

Ennoのチェック画面(スナップショットはこちら)にも、

安全のため、チェックされる文書はデータベースには保存しません。サイト管理者も読むことはできません。

との内容が。

以上を総合すると、
「校正のために書き込んだテキストの著作権は運営者に移る。だがその文章自体は保存していない。」
という何が何だかわからない状態に。

実際のところはどうなのでしょうか。

Hagex様の著作 で本サイトの思いもよらぬ使い方が紹介されています。

Hagexさんの著作というとこれですが、この利用規約のことはご存知なのかなあ…。

知ってたらたぶん紹介しないでしょうから知らなかったのだと思いますが、Ennoを紹介しているサイトや著作には、この規約を知った上で掲載を再考してもらいたいものです。
紹介されているからといざ使ってみたらそのテキスト使って商売されてました、なんてシャレになりませんからね。。。

追記(2014/8/19 13:31)

運営者さんがこの記事をご覧になったのか、利用規約が変更されていました。

「著作権の譲渡」項目に取り消し線が引かれ、以下の内容が追記されています。

「Enno」における利用者の書き込みテキストについては、Ennoからこれらの著作物に対して自動でのエラーチェック以外の関与を行なうことはなく、管理者が著作物の内容を監視・保存・改竄・転用することもありません。Enno側ではエラーごとのカウント数のみを集計し、文言そのものはサーバーログにも保存しません。ただしアクセスがあったIPアドレスや日付時刻など、サーバー管理上の常識的な項目は一定期間保存されます。

入力されたテキストは保存されないと明確に規約に記述されました。これが本当ならば、著作権云々に関しては気にせず利用することができそうです。
修正前の文言が完全に削除されず取り消し線となっているのは、わかりやすくていいですね。

上項目と引き換えに、EnnoのWebページにおける通常の利用者からの書き込みテキスト送信が紛失あるいは期待どおりに処理されなかった場合の対応および保証は行えなくなります。EnnoのWebページ上のサービスは常にベストエフォートで提供されます。

「引き換えに」ということは、今までは何らかのエラーに備えて保存はしていた、ということなのでしょうか。
(それならそれで納得の行く保存理由ではありますが)


文章をチェックするメインのページでは、Hagexさんの著作に関する記述が削除され、以下の文章が追記されています。

規約を更新しました 。以前から修正の必要を感じていたのですが遅くなり申し訳ございません。利用者の皆様に不安を与えたことをお詫びいたします。

運営側も、ユーザーも利用規約には十分ご注意を

もしかすると、特に意識せずどこかの利用規約をコピペしただけだったのでしょうか。
例えば「利用者が書き込みした時点においてその一切が運営団体に譲渡される」とかで検索すると、ニコニコ実況などいくつかのサイトがヒットするようですし・・・。

それを文章校正サービスでやってしまうというのはいささか迂闊だとは思いますが、特に他意はなかったのかも。

ここまでを読んで
「著作権譲渡なんていうとんでもない規約を載せてしまう運営者だから、修正されても信用できない」
と考えるか
「指摘された内容に真摯かつ迅速に対応する、信頼できる運営者だ」
と理解するかは、ユーザーの方々次第。

ともかく、利用規約は変更されたようですのでもし使ってみようと思っている方はご確認ください。

あとがき

Webサービス運営もタダではないのでどこかで採算を取らないといけないのかもしれませんが、常識的には広告なり有料機能なりで対応するところ、まさか文章の著作権を丸ごといただくなんてことになっているとは驚きでした。上記の通り利用規約は修正されています。

ついつい面倒で読み飛ばしがちな利用規約ですが、このように思いもよらぬことが書かれていたりするのできちんと読まないとですね。

利用してみようと思っていた方は、以上の内容を確認した上で判断いただければと思います。

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