2014年3月26日
個人事業

Shokibo kigyo kyosai title
Tax / 401(K) 2013

以下のブログをきっかけに知った、「小規模企業共済」という仕組み。

「経営者にも退職金を!」とあるように、会社員であれば通常もらえる退職金を、掛け金を積み立てることによって共済金として受け取れるという制度です。


メリットとしては、20年以上積み立てれば積み立てた分よりも多い金額が返ってくること、それに積立額は全額所得控除になるのが大きな特徴。

つまり、20年以上継続して元本割れしない前提でいけば、少なくとも節税額分まるまる得するということ。

課税所得が500万円の場合は、月1万円(年12万)積み立てると節税額は年36,500円。
言わば実質年利30%といってもいい状態になるわけですね。これはやらな損のレベルや。。。

加入資格のある個人事業主や小規模企業の経営者の方で月々少しでも積み立てる余裕のある方は、利用しておくべきですよ!

小規模企業共済の概要

▼加入資格

小規模企業共済に加入できるのは、個人事業主もしくは会社の経営者。

「小規模」の名前の通り、運営する組織の従業員の数に制限があります。

  • 建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
  • 商業(卸売業・小売業)、サービス業を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
  • 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  • 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  • 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
    上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

中小機構:小規模企業共済: 加入資格

▼掛金

月額1,000〜70,000円まで、500円刻み

▼共済金(解約手当金)について

20年以内に解約した場合には、元本割れとなってしまいます。
逆に20年以上積み立てると、以降は月数に応じて支給額が上がっていく仕組み。

計算方法は以下の表にある通りです。

その掛金区分の掛金納付月数 支給割合
12月以上 84月未満 80.00%
84月以上 90月未満 80.50%
90月以上 96月未満 81.25%
(以下6ヶ月ごとに0.75ポイントずつ割合が増加)
240月以上 246月未満 100.00%
246月以上 252月未満 100.25%
252月以上 258月未満 100.50%
(以下6ヶ月ごとに0.25ポイントずつ割合が増加)
468月以上 474月未満 109.50%
474月以上 480月未満 109.75%
(以下6ヶ月ごとに0.25%増加、上限120%)

中小機構:小規模企業共済: 解約手当金の額の算定方法より)


個人事業の廃業や譲渡、65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだなど、特定の事由に該当する場合には、20年以内であっても満額かそれ以上の金額を受け取ることができます。

▼加入方法

都市銀行や地方銀行、商工会議所などで用紙をもらい、記入・提出すればOK。
窓口で「小規模企業共済に入りたいのですが」と言えば案内してくれるはずです。
(参考:中小機構:小規模企業共済: 小規模企業共済 加入手続きの窓口

節税額がとんでもない。所得500万円ならなんと実質年利30.42%!

ここまでだと、「20年も加入してなきゃ得しないのか…」とガッカリした人もいるかもしれません。

ですがちょっと待ってください。この小規模企業共済がすごいのは共済金ではなく、節税額のほうなのです。

例として、公式ページに載っている課税所得500万円の場合の表を見てみましょう。

掛金月額 掛金年額 節税額 実質負担額
10,000円 120,000円 36,500円 83,500円
20,000円 240,000円 73,000円 167,000円
30,000円 360,000円 109,500円 250,500円
40,000円 480,000円 146,000円 334,000円
50,000円 600,000円 182,500円 417,500円
60,000円 720,000円 219,100円 500,900円
70,000円 840,000円 255,600円 584,400円

中小機構:小規模企業共済: 【第3回】実感してください、「小規模企業共済」の節税効果!より)

掛金年額120,000円あたり、36,500円も節税ができてしまうんです。

元本割れしない前提でいけば、36,500/120,000=約30.42%。年利30%と同じことですよ。
預金なんかでは絶対ありえないお得さです。すごすぎる。。。

※課税所得額によって節税額は大きく変わるため、自分の場合どうなるかは自分で計算してください


もし途中で解約し元本割れしてしまったとしても、場合によっては節税額が大きいためトータルでプラスになってしまったりします。

例えば、課税所得が年間500万の人が月3万円の掛金で小規模企業共済に加入し、5年で任意解約してしまった場合。

支払った掛金は、

30,000円×60ヶ月 = 1,800,000円

受け取れる共済金は、

1,800,000×80% = 1,440,000円

一方で、5年間の間に節税できた額は、

109,500円×5 = 547,500円

これらを比較してみると、

1,440,000 + 547,500 > 1,800,000
(受け取り額 + 節税額 > 支払額)

となり、それでも支払額よりも得することになります。
※共済金は退職所得扱いとなりますが、年40万まで退職所得控除の範囲内なのでこの場合税金はかかりません
(参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|所得税|国税庁

小規模企業共済のリスク

以上の通り、もはや加入資格を持った人であれば「入らな損」なレベルの小規模企業共済ですが、リスクについてもちゃんと知っておきましょう。

  • 前述の通り、20年以内に解約すると元本割れ。節税額が大きいとはいえ、あまり短い期間で解約してしまったり、課税所得額や掛金額によってはマイナスとなる場合もある
  • 掛金の増額は比較的容易だが、減額には条件があるため注意
    (参考:中小機構:小規模企業共済: どのような場合に掛金月額を減額できますか。
  • 追記:資金が必要になった場合、貸付け制度も

    途中で資金が必要となった場合、わざわざ解約して元本割れさせずとも貸付け制度を利用することができるようです。
    (Facebookにて会計士の友人に教えてもらいました)

    特徴をざっくりまとめると、
    ・今までのトータル掛金額まで借り入れ可(但し10〜1,000万の範囲内)
    ・貸付期間は6、12、24、36ヶ月
    ・利率は1.5%、延滞利子14.6%

    詳しくは以下のページを参照ください。

    あとがき

    私はさっそく月3万で加入手続きを済ませました。
    開業してもうすぐ2年、もっと早くこの制度を知っていれば。。。

    加入資格のある個人事業主や小規模企業の社長さん、この小規模企業共済をうまく使えば相当お得だと思いますよ。
    もし知らなかった方がいたら、当記事を参考に加入の検討をおすすめします!


    なお、めんどくさくて大変な帳簿や確定申告の書類作成を半自動でやってくれる「freee」や「MFクラウド会計」といったサービスもあります。
    初期費用0円、かつある程度の機能を無料で使えるので、試用してみて使えそうなら有料版にしてみるのがおすすめ。



    関連記事:

    個人事業主が受けられる、おもな所得控除についてまとめてみた

    初の確定申告(青色)を終えた私が、個人事業の開業時からするべきだったと思う3つのこと

    確定申告時の常識だが、忘れると大損するかもしれない2ポイント(源泉徴収、所得控除の記入)

    ⇒もっと 「個人事業」に関する記事をチェックする!

    フォローして更新情報をチェック